ドラムメーカーいろいろ①〜ー導入ーPearl 編〜
こんにちわ!
スタッフの∞(ムゲン)です!
長年ドラムをやっている人はドラムセットやスネア・ドラム用品を買う際、メーカーにこだわりを持っていたりする方多いのではないでしょうか?
楽器を買う際、「好きな(尊敬する)アーティスト(プレイヤー)が使っているから〜」というのを基準に選ぶのも素敵なことですね。
しかし、反対に不慣れな人や初心者の方が初めてドラム用品を買う際など、「どのメーカーを選べばいいの?」なんて人も多いと思います。
とりあえず「試奏してみて気に入った製品を選べば・・・」というのも1つの答えですが手当たり次第に「端から端まで試奏させてください!」って店員さんにいうのも大変ですし時間がない(笑)
最終的に「口コミや人に聞いてみる。」なんてすると思うのですが、そこで耳にするのが「〇〇のメーカーはロックに合わないからやめとけ」や「〇〇のメーカーはジャズにしか合わない」など・・・しかしこれは見当違いだと思うんですよね。
最近では、どのメーカーも「機種ごとに違うジャンルに特化させた製品」や「オールジャンル向け製品」をラインナップしている場合が多いので一概に「このメーカーはダメ!」と決めつけるのは間違いです。
メーカーごとに『音』や『ドラムとは?』というものに対する考え方が少しずつでも違うので、それが使い手の好みに合うか合わないか?と言う問題に他なりません。
楽器の素材や製法で変わる特色を理解した上で口コミや評判だけに頼らず実際に試奏して好みの楽器を選ぶのが大事です。
材質による特色は以前書いたこの記事(初めて買うなら〜)を参考にしてください!
さて今回の記事は数々あるドラムメーカーを紹介する記事第1弾です!!
個人的な使用時(試奏時)の感想とオススメ製品も紹介するので楽器選びの際、参考などにしてください!
(http://www.pearlgakki.com/index.php)
・日本三大ドラムメーカーの1つ!
Pearl / パ ール楽器製造株式会社は1946年創業を開始した千葉県八千代市に本社を置く楽器メーカーです。ドラムなどの打楽器をはじめフルートなどの管楽器の製造もしています。
また、現在(2017年)では、アンプメーカーのHughes&KettnerやMarkBaseなどの輸入代理店になっています。
国内ではドラムトップレベルのユーザー数を誇り、海外でもユーザーの多い信頼性の高いドラムメーカーです。
・メーカー特色
多ジャンル向けなドラムと機能性・汎用性に優れたハードウェアが特徴です。
ウッドシェルにカーボンやグラスファーバーなどのウッド以外の特殊な素材を組み合わせたドラムをいち早く開発するなど様々な試みでユーザーと聞き手を楽しませてくれています。
・使用する有名プレイヤー
主な使用する有名なプレイヤーを紹介!
日本
yukihiro - L'Arc〜en〜Ciel
故・樋口宗孝 - LOUDNESS
Tetsu - D'ERLANGER
Shinya - DIR EN GREY
故・川口ジョージ
淳士 - SIAM SHADE
金子 ノブアキ - RIZE
真矢 - LUNA SEA
etc...
海外
ジョーイクレーマー - エアロスミス
マイク・マンジーニ - ドリームシアター
シェーン・ガアラズ - B'z
ジョーイ・ジョーディソン - スリップノット
カーク・A・ジョンソン - プリンス
マイケル・バーカー - ジョン・バトラー・トリオ
etc...
・様々なユーザーに応える充実のラインナップ!
Pearl drumsの現在の主なラインナップは以下
>低価格でありながらパフォーマンスの高い入門キッドの『EXPORT』。
>オールメイプルシェルでありながらコストパフォーマンスに優れた『DECADE maple』
>バーチとカプールの複合シェルを使用し倍音の少ない落ち着いたサウンドが特徴の『SESSION Studio Classic』
>プロユースでありながら汎用性が高くカスタム性に優れた『MASTERSシリーズ』
>メイプル・バーチ・マホガニーなど様々な木材を複合し音域と音量のバランスを重視したハイエンドユースの『Referenceシリーズ』
>シームレスアクリルシェルを使用し強烈な見た目とソリッドでタイトな音が特徴の『Crystal Beat』
特徴としては汎用的なメイプルシェルからビンテージライクで高級なバーチシェル・音量や倍音感のバランスを揃えた複合ウッドシェルや特殊複合シェルなど様々なユーザーの要望に答えた製品を揃えています。
またMASTERS以上の機種にはオーダー次第でラグのメッキ処理やレインフォースメント(シェルのエッジ部分に厚みをつける)等が可能です。
スタジオやライブハウスで普段見かけるのは『MASTERSシリーズ』が多いです。
スネアにフォーカスしてみても通常のドラムセットと同素材の製品はもちろん。他のメーカー同様メタルシェルや、Pearl独自の複合シェルのスネアもラインナップされています。
また、エンドースアーティストのシグネイチャーモデルも多数存在しバラエティーに飛んでいます。
最近では一部のモデルに『COLORS INFINITY』と言う、サウンドのみならずヴィジュアルにもクローズアップした個性的なデザインのフィニッシュをオーダーできるようになりました。
ハードウェアに関してもかなり充実しています。
上位機種になると「ジャイロ・ティルター」や「ユニロック・ティルター」と言ったシステムをジョイント部に搭載し無段階で好みの方向・位置に楽器をセッティング可能にしています。
また『BC-2030』という機種は 通常のシンバルスタンドよりブームアームが長く設けられアームからさらにもう一段階ブームを伸ばすことが可能、普通ではセッティングの難しい高い位置や他のハードウェアが重なってしまう場所でも容易にセッティングできるようにしてくれます。
ブームエンドにはウェイトもついているので安定感も抜群。2バスなど多点キットのユーザーに優しいです。
付属のウイングナットもPearl独自の機構で瞬時にシンバルの着脱ができるのが魅力です。
・感想とオススメ!
PearlのドラムセットはわかりやすくいうとYAMAHAとTAMAの「いいとこどり」です。(Pearlの方が先ですが・・・)
当スタジオMWSSには、A/Bstとも国産時代(創設期〜2000年代半ばまで)に生産されたオールメイプルの『STANDARD MAPLE(現在のMASTARS MAPLE RESERVE MRS以下MRS)』があり、僕(∞)個人では、前述の『MRS』にレインフォースメントのついた『CLASSIC MAPLE(現在のMASTERS MAPLE RESERVE MRV以下MRV)』を所有していますが、これらはシェルが薄く設計されています。この特徴は、TAMAの製品に多く『生音』を聞いた時のセット全体のバランスに優れていて組み合わせるヘッドによってサウンドも大きく変化します。
反対に、『SESSION Studio Classic』やハイエンドモデルの『Referenceシリーズ』はシェル材に複合シェルをベースとし、口径に合わせて組み合わせる木材やシェルの厚さを変えています。これはYAMAHA製品に多く、口径ごとの音量や倍音のバランスをそろえて『マイク載り』のいい音を目指しています。
・ドラムセットを目の前(またはドラマー視点)で聞いた時の『生音』をメインとするか。
・ライブやレコーディング時のマイクで録音した時の『マイク載り』をメインとするか。
どちらもいい音を出す工夫をしているのでどう言った環境でどうサウンドを求めて演奏するのかと言うのを考え楽器を選ぶ必要があります。
それを考慮した上で僕が Paerl製品でみなさんにオススメしたいセットは
『MASTERS MAPLE RESERVE MRV』です!
『MRS』と『MRV』、ベースは同じメイプル4プライでできているのですが『MRV』にはシェルの両エッジにレインフォースメントが施されておりシェルの補強強化はもちろんですが、中低音域がフォーカスされチューニング次第ではスティック(またはビーター)がヒットした時のアタック音とのバランスの良とれたサウンドメイクがとてもしやすいのが特徴です。バスドラムなんかは特に気持ちいいですね。
生音でのバランスはもちろんですがライブなどモニター越しに聞いた音も輪郭のはっきりしたサウンドが聞けるのでバンドのアンサンブルもしやすくレコーディングでも重宝されると思います。
そしてスネアのオススメは
『Snare Metal Reference』です!
『REFERENCEシリーズ』のメタルスネアはシームレスシェルで厚みがありサウンドは音量感とタイトな抜けが特徴です。
材質ブラスシェル・スチールシェル2種類あり深さも5インチと6.5インチの2種があります。
スチールの方がライトな高音が、ブラスは温かみのある中高音域の抜けがあります。
どちらも力を抜いた叩き方をしても輪郭のしっかりしたサウンドを出してくれるのでダイナミクスがつけやすくロック・ポップスには使い勝手抜群です。
単品での価格は ¥100,000~と少し高いですが気に入れば一生モノの楽器になるでしょう。
最後に少し変わったMWSSに現存するドラムセットを紹介します!
『PRESIDENT』
1960年代から80年代まで生産されたシェルがファイバー製(紙の繊維のようなものを何重にも重ねた素材)のドラムセットです。
木材ともアクリルとも違う独特の明るいサウンドが特徴で温度や湿度の変化にも左右されない耐久製があります。今では製造されていない珍しいセットなので普通では滅多に見れないセットなのですが、MWSSではこのセットを機材レンタルの際に使うことができるのです!
以上『ドラムメーカーいろいろ①〜ー導入ーPearl 編〜』でした!
本当はこの記事だけでPearl YAMAHA TAMAのことを書き上げたかったのですが
ドラム愛が強すぎていつの間にかPearlだけで長文になっていました・・・笑
やむなく今回はPearl特集と言うことで!
次回はYAMAHAかTAMAについて深く掘り下げようと思います!
お楽しみに!
著者:∞(ムゲン)
埼玉県岩槻出身、中3よりドラムをはじめ高校入学と同時にバンド活動を始める。現在、V系ロックバンドDaizyStripperの風弥~Kazami~氏のローディーをやりながらサポートドラマー・ドラムチューナーとして活動中!